ご質問回答おいしいミルクセミナー

このたびは、『おいしいミルクセミナー公開オンライン』をご視聴いただき、また、牛乳・乳製品に関する多くのご質問をお寄せいただき、ありがとうございました。頂いたご質問についてお答えいたします。なお、類似した質問はまとめさせていただいておりますことご了承ください。また、もう少し詳しい回答や参考Q&Aをご覧になりたい方は、日本乳業協会、Jミルクのホームページや乳和食サイトをご参照ください。

Q. メーカーや種類別名称によっていろいろな牛乳が販売されていますが、何が違うのですか?
みなさんが飲まれている牛乳は、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」及び「飲用乳の表示に関する公正競争規約」により、「牛乳」「成分調整牛乳」「低脂肪牛乳」「無脂肪牛乳」「加工乳」「乳飲料」などに分類されています。
「牛乳」【乳脂肪分3.0%以上:無脂乳固形分8.0%以上】
・乳等省令では使用できる原材料は生乳(せいにゅう/牛などから搾ったままの乳)のみで、水や他の材料を混ぜてはならないとされています。
「成分調整牛乳」【無脂乳固形分8.0%以上】
・生乳から成分(水分、乳脂肪分、ミネラル等)の一部を除去したものです。
「低脂肪牛乳」【乳脂肪分0.5%以上1.5%以下:無脂乳固形分8.0%以上】
・生乳から脂肪分を除去したもので原材料は生乳100%のみです。
「無脂肪牛乳」【乳脂肪分0.5%未満:無脂乳固形分8.0%以上】
・生乳からほとんどすべての乳脂肪分を除去したもので、原材料は生乳100%のみです。
「加工乳」【無脂乳固形分8.0%以上】
・乳にクリームや脱脂粉乳などの乳製品を加えたもの、または乳製品を加工したものです。
「乳飲料」【乳固形分3.0%以上】
・乳固形分のみ3.0%以上と定められており、牛乳の成分以外の原材料も使用が認められています。栄養強化でカルシウムや鉄分などを加えたものや、コーヒーや果汁などに糖分を加えた嗜好的なものがあります。
牛乳の味は、種類別、殺菌方法や産地などで異なりますので、お好みの牛乳をお飲みください。
Q. 低脂肪牛乳などの低脂肪タイプと普通の牛乳は栄養などは違いますか?
低脂肪牛乳と低脂肪乳(加工乳や乳飲料)では、使用できる原材料や成分の規格が異なります。
「低脂肪牛乳」…生乳100%を原料とし、乳脂肪分の一部を除いて0.5%以上1.5%以下にしたものです。
「加工乳」…乳に脱脂粉乳などの乳製品を加えたもので、それ以外は加えてはならないとされています。
「乳飲料」…乳や乳製品を主原料に、ビタミン・ミネラル・果汁など乳製品以外のものを加えたものです。

「低脂肪タイプの牛乳類」には成分調整牛乳、低脂肪牛乳、加工乳、乳飲料があり、脂肪の量は低脂肪タイプの商品により様々です。
低脂肪牛乳や低脂肪タイプの牛乳類は牛乳に比べると脂肪が少ない分、エネルギーは牛乳より少なくなります(普通牛乳200mlで126kcal、これを低脂肪牛乳に変えると30〜40kcal減少)。
カルシウムの量については低脂肪牛乳・低脂肪乳(加工乳)は種類別牛乳と同等以上となり、低脂肪乳(乳飲料)は商品によって種類別牛乳より多いものから少ないものまであります。
脂質は普通牛乳で約8g、低脂肪牛乳でだいたい2〜3gですので、1日に摂るエネルギーや脂質量からするとわずかしか変わりません。
牛乳も低脂肪牛乳もたんぱく質やカルシウムは同じ量が摂れますが、低脂肪牛乳は脂溶性のビタミンAやビタミンDは少なくなってしまいます。脂っこい食事を好む方や、脂質の量が気になる方は低脂肪牛乳や低脂肪タイプの牛乳類にすると良いでしょう。
Q. 加工乳にはいろいろ種類がありますが何が違うのですか?
加工乳は乳や定められた乳製品のうちいずれかを原材料とし、無脂乳固形分のみ8.0%以上と定められています。
「低脂肪タイプ」…脱脂乳などを加えて乳脂肪分を少なくしたものです。牛乳よりエネルギーは少ないですが、たんぱく質、カルシウムなどの無脂乳固形分は多く含まれています。「カルシウムは摂りたい、脂肪はひかえたい」という人に適した商品です。乳脂肪分は1.0〜1.5%、無脂乳固形分は8.5〜10.0%のものがほとんどです。
「濃厚タイプ」…牛乳よりもさらにコクのある味を好む人のために、乳に濃縮乳、クリームなどを加えたものです。脂肪、たんぱく質、カルシウムなどの各成分が多くなっているので、栄養価も高く風味にも濃厚感が増します。乳脂肪分は4.0〜4.6%、無脂乳固形分は8.5〜10.5%程度のものが一般的です。
「無脂肪タイプ」…乳脂肪分0.5%未満のものです。流通量は少ないです。
Q. 牛乳はノンホモジナイズのものでないと体に良くないと聞きましたが、ホモジナイズとの違いを教えてください。
「ノンホモジナイズ牛乳」でないと体によくないということはありません。
牛乳はホモジナイズといって乳脂肪を均質化しているため、消化吸収が良いという利点があります。ホモジナイズされていないと、脂肪は軽いため上に浮いてきます。そうなると上部と下部で味に差が出てしまいます。特に量が多い1リットルパックなどは量が多くなるほどその差が顕著になることから、品質・味ともに均一な製品を提供するためホモジナイズド牛乳が多く生産されています。
いっぽう、均質化していない「ノンホモジナイズ牛乳」は静置しておくと、上部にクリーム層ができ、最初の一口は味が濃く感じられることがあります。
Q. 牛乳の殺菌について教えてください。
殺菌方法は温度と時間によって大きく以下のように区分されます。
 〇低温殺菌(LTLT=Low Temperature Long Time)
 ・低温保持殺菌:保持式で63〜65℃で30分間加熱殺菌する方法
 ・連続式低温殺菌:連続的に65〜68℃で30分間加熱殺菌する方法
〇高温殺菌
 ・高温保持殺菌(HTLT=High Temperature Long Time):保持式で75℃以上で15分以上加熱殺菌する方法
 ・高温短時間殺菌(HTST=High Temperature Short Time):連続的に72℃以上で15秒以上加熱殺菌する方法
〇超高温殺菌(UHT=Ultra High Temperature)
 ・超高温瞬間殺菌:120〜150℃で1〜3秒間加熱殺菌する方法
※「保持式」と「連続式」とは
保持式とは生乳をタンク内でかくはんしながら一定の温度を保持して殺菌する方式で、連続式とは生乳が加熱されたプレート間を通過することで一定の温度を保持して殺菌する方式です。
現在販売されている牛乳の9割が超高温瞬間殺菌(UHT)による殺菌です。食中毒の原因となる菌だけなく、耐熱性胞子形成菌を死滅させられるのはこの方法のみで、短時間で大量の生乳を殺菌可能です。また、これらの加熱殺菌設備は、生乳と加熱熱源を接触させることなく加熱する間接加熱方式ですが、加熱蒸気を生乳に接触させる直接加熱方式、生乳に直接電気を流し、牛乳自体を発熱させて殺菌する方式が知られています。
なお、殺菌方法が違っても、牛乳の栄養に差はありません。牛乳成分は高温殺菌の加熱で大きく変化することはありませんし、たんぱく質は加熱により変性しますが、栄養価には変化はありません。牛乳の容器へは殺菌温度と殺菌時間を表示するよう義務付けられています。
Q. 牛乳はいつ飲むのがよいのですか?
牛乳は、いつ飲んでもかまいません。
1.朝:毎朝の牛乳・乳製品の摂取は、睡眠を改善する可能性があります。乳たんぱく質に豊富に含まれるトリプトファンからセロトニンができ、そこから睡眠ホルモンといわれるメラトニンができて眠りにつきやすくなりますが、朝摂取することで夜に十分に供給されるためではないかと考えられています。
2.運動後:牛乳に含まれる乳たんぱく質には筋肉の回復に必要なアミノ酸が多く含まれ、運動後に飲むとよいとされています。中強度の運動後に乳製品を摂ることにより、熱中症の予防になるという研究結果もあります。
3.夜:骨は常に入れ替わっていますが、夜は骨芽細胞による骨の合成が優位になります。夜に牛乳を飲むと牛乳に含まれるたんぱく質やカルシウムなどが骨を形成するのに役立ちます。睡眠中は成長ホルモンが出るので、子どもは成長、大人は日中の活動で傷んだからだの修復(疲労回復)の時間になります。そのため、たんぱく質やビタミンB1を含む牛乳を夜飲むとよいと言われています。
Q. 牛乳は一日にどれくらい飲むのがよいのでしょうか?
1日に1〜2本(200〜400ml)飲むことをおすすめします。多くの日本人は、カルシウム摂取量が不足しています。牛乳は1回に飲む量に含まれるカルシウムの量が多く、他の食品に比べて吸収率が高いです。大きめのコップ1杯(200ml)にカルシウムが227mgも含まれる牛乳は成人女性の1日に摂りたいカルシウム量の約1/3が摂取できます。牛乳が苦手な方はヨーグルトやチーズを食べても同じ程度のカルシウムを摂ることができます。
また、牛乳乳製品は加熱しても栄養は変わらないので、そのまま摂るだけでなく料理に使うこともおすすめします。
Q. 牛乳・乳製品を摂り過ぎるとどうなりますか?
日本での平均的なカルシウム摂取量は約500mg/日で食品からの摂取で上限値を超えることは稀です。カルシウム不足を心配してサプリメントなどを摂ることにより、かえって過剰摂取となってしまい、便秘や倦怠感、筋力低下、尿路結石を引き起こしてしまうことがあります。
たんぱく質の摂取に関しては、未就学児の場合は1日20〜25gが推奨量ですが、上限は摂取エネルギーの20%、60〜65gとなります。そこまで行くにはかなり飲まないと到達しないので、飲み過ぎというのは実質起こりにくいのではと思います。
また、牛乳・乳製品にはたんぱく質やビタミンB2も豊富ですが、ビタミンCなどほとんど含まれない栄養素もあります。摂りすぎて必要な栄養を含む他の食品が食べられないのでは健康を害してしまいますので、バランスが大事です。
Q. 胃が生まれつき弱く食事が少量しか食べられない傾向にあったり、普通の人並に食べても 消化力が弱くなかなか太ることができません。 その場合、たんぱく質を不足しないようにするにはどうしたら良いのでしょうか?
臨床的な観点からは医師の指示をあおいで頂きたいですが、食事が少量しか摂取できない場合、特に筋肉を守る観点からは必須アミノ酸を多く含む食材を重点的に摂取し、同じたんぱく質の摂取量から得られる筋肉の合成作用を最大化することが重要です。動物性たんぱく質は一般的に植物性たんぱく質と比較すると必須アミノ酸が豊富です。特に乳製品に含まれるたんぱく質はロイシンを含む必須アミノ酸を多く含み、筋肉の成長に効率的な食材です。1日3回、できる範囲で乳製品を摂取することで、低栄養に伴う筋肉の減少を防ぐことをおすすめします。
Q. 牛乳が苦手な人や子どもに良い飲み方があれば教えてください。
牛乳をそのまま飲むのが苦手な方は、カフェオレにするなど何かと混ぜて飲んだり、グラタンやシチューなど料理に使用しても、栄養はほとんど変わらないのでお勧めです。それも苦手ということであれば、ヨーグルトやチーズでも牛乳と同じくらい栄養が摂れるのでおすすめです。
ヨーグルトは牛乳の栄養に加え、乳酸菌の働きも期待できるので、好んで食べるお子さまでしたら、ヨーグルトと牛乳を混ぜて甘みを足したラッシー風のドリンクはいかがでしょう。
Q. 牛乳にはどんな栄養がありますか?
牛乳はカルシウムを多く含むだけでなく、ビタミンAやビタミンB2の供給源にもなります。また、たんぱく質は不可欠アミノ酸(必須アミノ酸)や分岐鎖アミノ酸をバランスよく含みます。
・カルシウム…牛乳はカルシウムを多く含むだけでなく、吸収率は、他の食品(小魚33%、野菜19%)に比べ、40%と優れています。たんぱく質が消化される過程でできるCPP(カゼインホスホペプチド)が、腸内でカルシウムの吸収を助けます。
・カリウム…牛乳100g中に150mg 含まれ、多く摂りすぎたナトリウムを体外に排出する働きをします。
・ビタミン…成長期に欠かせないビタミンB2やビタミンAの他、ビタミンB12なども含まれます。
・たんぱく質…主にカゼインとホエイからなり、体内で合成できない不可欠アミノ酸(必須アミノ酸)や、筋肉を作るのに役立つ分岐鎖アミノ酸をバランスよく含みます。
Q. 牛乳を加熱すると栄養は変わりますか?
牛乳の栄養は調理で加熱してもほとんど変わりません。
私たちが牛乳に期待する栄養は、カルシウム、たんぱく質、ビタミンA・B1・B2などで、これらの栄養素は加熱しても、ほとんど変わることがありません。熱に弱いビタミンCはもともと牛乳には少ないものです。
ホットミルクなどの温かい飲み物や、加熱する料理にも安心してご利用ください。
Q. 牛乳を飲むと身長が伸びますか?
身長には親からの遺伝や運動量、睡眠などの影響もあるため牛乳を飲むと必ず身長が伸びる訳ではありませんが、身長を伸ばすためには牛乳は重要な食品であるということは言えます。
まず今日からやっていただきたいのは決まった時間に寝ること、規則正しい睡眠です。規則正しく寝ると成長ホルモンが出てきて、成長ホルモンが出てくると体が大きくなって身長が伸びる訳ですが、その時に材料としてたんぱく質やカルシウムが必要です。その供給源として牛乳はそれらが簡単に効率的に摂取できます。
Q. 牛乳を飲むと太りますか?
牛乳200mlには126kcalのエネルギーがあります。一般的に消費エネルギーよりも摂取エネルギーが多いと太る原因となりますが、この量だけ見れば太る原因になるほどではありません。牛乳のエネルギーは同量の調製豆乳とほぼ同じです。牛乳の「栄養価の高さ」が「高カロリー」と誤解されていると考えられます。そして、牛乳はアミノ酸スコアの高いたんぱく質や、カルシウム、リン、ビタミンAやB2などの優れた供給源としても知られています。ダイエット中などで食事量が少なくなれば、肌などの新陳代謝に必要な栄養素をバランスよく摂るのが難しくなり、肌荒れなどを生じやすくなります。その点からも、牛乳はダイエット中にこそ必要な食品と言えます。また、「牛乳を飲む中高校生と飲まない中高校生(女子)では、飲んでいる人の体脂肪率が低い」との報告もあります。牛乳は食事全体のバランスをとるのに役立つ食品ですので、食生活に上手に取り入れましょう!
Q. コレステロールや中性脂肪が高い人は普通牛乳は飲まない方がよいですか?
コレステロールは人間の体に存在する脂質のひとつで、細胞膜や各種ホルモン、胆汁酸を作る材料となり、体に必要なものです。2〜3割が食事としてとり入れられますが、7〜8割は体内で合成され、その合成量は体のなかでうまく調整されています。
食事として日本人が1日に摂るコレステロール量は約300~400mgです。牛乳コップ1杯(200ml)のコレステロール量は、普通牛乳25mg、低脂肪牛乳12mg、無脂肪牛乳6mgで、鶏もも肉(100g)89mgや鶏卵(1個:50g)185mgに比べると、それほど多くないことがわかります。
このようなことから健康な人であれば、牛乳のコレステロール量を気にすることはないと言えます。
生命維持に大切なコレステロールですが、血中の脂質の値が基準値から外れた状態を「脂質異常症」と言います。そのように診断された方は、毎日飲んでもよい牛乳の量をかかりつけ医または病院栄養士にご相談ください。
一方でコレステロールが不足した場合も免疫力の低下を招いたり、脳出血の危険を増加させます。牛乳・乳製品を意識したバランスのよい食事、禁煙や運動、減量を心がけましょう。
Q. 牛乳を飲むとおなかの調子が悪くなるのはなぜですか?
牛乳中の糖質である乳糖を分解する酵素(乳糖分解酵素=ラクターゼ)が少ないか、働きが弱い為です。
本来乳糖は小腸内で乳糖を分解する酵素(乳糖分解酵素=ラクターゼ)により分解されて小腸で吸収されますが、ラクターゼが少ないか働きが弱いと、乳糖は小腸で分解されずそのまま大腸の方へ進みます。
大腸へ進んだ乳糖が腸内細菌により分解される際にガスや酸が産生され、ガスが大量に発生すると腹部膨満感や腹痛の原因に、また産生された酸によって腸が刺激を受けると腹痛の原因となる場合があります。さらに乳糖は大腸内に水を呼び込む性質を持っており、下痢症状をもたらす原因になると考えられています。
このように乳糖摂取によって生じる不快な症状を「乳糖不耐症」と呼んでいます。乳糖不耐症と聞くと、病気のように感じるかもしれませんが決して病気ではありません。授乳している赤ちゃんは母乳に含まれる乳糖をエネルギー源として利用するためラクターゼの働きが活発ですが、離乳後はエネルギー源を母乳中の乳糖に頼る必要がなくなるので、次第にラクターゼが生産されなくなります。これは哺乳動物全般に見られるごく自然なことなのです。
おなかがゴロゴロする人に以下の方法をおすすめします。
・数回に分けて飲む
・温めて飲む
・ヨーグルトやチーズを食べる
・乳糖の量を抑えた乳飲料を試す
Q. メーカーによって価格が違うのはなぜですか?
牛乳の価格は、まず生乳生産者とメーカーとの間での価格(乳価)を決め、それから牛乳の種類(牛乳、乳飲料、加工乳など)や製法、ブランド、営業方針などによってメーカーの出荷価格が決められます。最終的にみなさんがスーパー等の売り場で目にする価格はそれらをもとに小売店で決めた販売価格です。
Q. 値段の安い牛乳は薄めているのですか?
「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」により、種類別牛乳には何も加えてはならないことになっており、水で薄めるなどということはありません。
Q. 牛乳は飲まないほうが良い、体に悪いという情報を聞くことがありますが、実際どうなのですか?
「牛乳が体に悪い」とする報道を目にされることがあると思いますが、たんぱく質もそうですが牛乳に含まれている物は基本的に体に良いということは皆さんご存知だと思います。例えば、牛乳(生乳)は牛の出産時に取れる物なのでそれに含まれるエストロゲンという女性ホルモンが体に入ってくるのではとか、カルシウムの吸収をたんぱく質が防ぐのではないかといういろんな指摘もあるかと思います。
率直に言うとそういう見解には科学的根拠、学術的な証拠といったものはまったく無く、個人的な意見が多いので、気にせずに安心して飲んでいただいて問題ありません。逆に体にとってとても良い食品ですので、たんぱく質やカルシウムを摂る意味で積極的に牛乳を活用いただければと思います。
※一般社団法人Jミルクのホームページ「牛乳の気になるウワサ」( https://www.j-milk.jp/knowledge/food-safety/uwasa_index.html )もご参照ください。
Q. 給食が無い時期に、牛乳が余っている、捨てるという話を聞くことがあるのですが、何か対策などはあるのでしょうか?
廃棄を防ぐために、業界内では色々取り組んでおります。日本全国での需給調整や、保存性の高いバターや脱脂粉乳といった乳製品を工場フル稼働で作ったり、それで積み上がった乳製品の在庫を輸入品との置き換えで使う等の取い組みも行なっています。
年末年始や、年度末については、廃棄の危機が報道でも大きく取り上げられていましたが、業界の努力だけでは対応が困難な中、皆さんの消費のご協力のおかげで、廃棄せずに乗り切れました。ありがとうございました。
特に、4月から5月頃までは、生乳生産量が季節的に最大化する一方、年度末やゴールデンウィークには学校給食が休みとなることなどから、牛乳の消費は例年減少します。このため、子供たちはカルシウムが不足気味となりますので、牛乳を飲んで栄養のバランスが保てるように心掛けてください。乳牛に春休みやゴールデンウィークはありませんので、食品ロスにつながらないようご協力願います。
Q. 牛のエサに遺伝子組み換えの飼料が使われていた場合、牛乳への影響はありますか。
遺伝子組換え飼料は、安全性を確認しなければならないことが「飼料安全法」に基づき定められており、農林水産省で安全性の確認が行われています。また、遺伝子組換え飼料を食べた家畜からの畜産物を人間が食べた場合の健康への影響については、食品安全委員会において評価されています。したがって国内で流通されている遺伝子組み換え飼料については安全性が確認されているということでご安心ください。
Q. チーズの上手な保存方法を教えてください。
チーズは次の3点に注意して保存してください。
・10℃以下で保存する…チーズは5℃前後で冷蔵保存するのが理想です。冷凍保存すると、舌触りや風味が悪くなります。ただし、ピザ用チーズなど加熱調理するものは冷凍保存できます。また、保存方法に常温保存と書かれている粉チーズは冷蔵すると湿気により固まりやすくなるので、室温保存してください。
・水ぬれや湿気に注意…水分はカビの原因になるので、水ぬれや湿気に気をつけましよう。冷蔵庫から出した冷たいチーズが空気に触れると表面が湿ってきます。残ったチーズを冷蔵庫に戻す場合は、表面の水気をふいてからラップしてください。
・乾燥を避ける…チーズは長時間空気に触れていると乾燥して硬くなります。使い残したチーズは乾燥しないようにラップをするか、密閉容器に入れて冷蔵庫に保存してください。硬くなった場合は、おろすなどして料理に使えます。
Q. 寒い季節はグラタンなどお料理に牛乳を使いますが暑くなるこれからの季節にも牛乳を使えるメニューを教えてください。
暑い夏に水代わりに牛乳を飲んで欲しいと思います。そんな時に、牛乳に合わせるいろんな氷を作っておくとよいと思います。例えば100%のオレンジジュースを凍らせておいてそこに牛乳を入れてオレンジミルクにしたり、ココアときび砂糖大さじ1杯ずつをお湯を100mlと混ぜて、少し濃い目に作ったものを凍らせておいて牛乳をかけて飲むと美味しいです。夏は暑いので牛乳も冷たくすると美味しく飲めると思います。汗で失われるミネラルの補給としても水やお茶の代わりに氷ミルクをおすすめします。
Q. 牛乳にはいろいろ種類がありますが、料理に使うときの選び方のポイントがあれば教えてください。
料理には基本的には成分無調整の普通牛乳がよいです。もう少しあっさり仕上げたい場合は、生乳100%の低脂肪牛乳がよいですし、例えばパンケーキを作る際に生クリームを入れずに濃厚感を出したいという時には、少し脂肪分を高めてある加工乳がよいです。脂肪を上下させて料理の味の表現に強弱をつけるというのも楽しさの一つと言えます。
Q. 牛乳を使った料理メニュー、レシピを教えてください。
乳和食公式サイト( https://www.j-milk.jp/nyuwashoku/ )では、乳和食の基本情報やレシピ、調理動画をご紹介していますし、Jミルクサイト「ミルクレシピ」( https://www.j-milk.jp/recipe.html )にも多くのレシピが掲載されています。ぜひ、新しいミルクレシピにチャレンジしてみてください。
Q. 賞味期限を意識して購入したほうが良いのですか?
賞味期限とは、適切な温度で保存し未開封であれば、食品の品質が保たれる期限ですのでその日を過ぎたら直ちに食べられなくなるという意味ではありません。また、未開封で適切な温度で保存した場合のことで、一度開封したものの賞味期限は無効になります。開封すると他の食品の匂いがつきやすくなり、また空気に触れて酸化すると風味も悪くなりますので、開封後は表示している賞味期限に関わらず、早めにお召し上がりください。
Q. スポーツ後30分以内に牛乳や乳製品を摂ると良いと聞きましたが、水筒に入れて持って行くと傷むと思うので何か良い方法はありますか?
「ロングライフ牛乳(LL牛乳)、または常温保存可能品」と呼ばれる常温で保存できる牛乳があります。LL牛乳は、要冷蔵の牛乳と栄養には差がありません。保存料などの添加物を使っているのではなく、加熱殺菌や充填の工程に違いがあります。また、常温で保存できるように食品衛生法の「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」により基準が定められています。
LL 牛乳は、1985 年7 月に乳等省令が改正になり常温保存できるようになり、賞味期限までは常温の保存でおいしく飲めますが、保存や持ち運びの際は直射日光を避け、開封後は普通の牛乳と同様、10℃以下で冷蔵保存し早めにお飲みください。
Q. 牛乳パックの正しい開け方を教えてください。
手をきれいに洗い、「あけくち」を確認します。「あけくち」を手前にし、左右に十分広げ屋根の方向に、開いた部分を押しつけます。押しつけた部分をはさむようにして、徐々に引いてください。「あけくち」を引き出す際は注ぎ口に指が触れないようご注意ください。
Q. ヨーグルトの乳酸菌は腸まで届かないという説は本当ですか?また、ヨーグルトで腸内細菌叢は改善されますか?
ヨーグルトの乳酸菌には、胃酸や胆汁酸などで死滅するものと、生きたまま腸に達するものがあります。そのどちらにも、健康に効果があることが明らかになっています。
乳酸菌は生きていなくても、発酵生産物や菌体内外の諸成分に抗腫瘍性、血圧降下作用、血清コレステロール低下作用などの健康効果のあることがわかっています。
ヨーグルト製造に用いられる乳酸菌は、ブルガリア菌、サーモフィルス菌、ガセリ菌、アシドフィルス菌など、また乳酸菌飲料にはカゼイ菌が使われます。これらの菌の組み合わせや発酵温度などにより、製品の特長を出しています。

さらに最近では、乳酸菌の機能性についての研究が進み、様々な菌がヨーグルトに添加され、プロバイオティクスとして販売されています。
プロバイオティクスとは「腸内細菌のバランスを整え、ヒトの健康に有益な働きをする微生物およびそれを含む食品」を示します。
手軽に摂取できるプロバイオティクスの代表格が乳酸菌やビフィズス菌です。
ヨーグルト中の乳酸菌のはたらきをまとめると以下のようになります。
1:保存性の向上…乳酸により他の菌の増殖を抑える
2:風味の向上…乳酸や香気成分生成により風味を良くする
3:整腸作用…腸内バランスを整え便通を改善する
4:消化吸収の促進…乳糖分解、乳たんぱく質の分解により促進する
5:免疫力を高める…腸を介して免疫機能に働きかける
Q. チーズのコレステロールが気になるのですが大丈夫ですか?
コレステロールは、人間の体に存在する脂質のひとつで、細胞膜、各種のホルモンや胆汁酸を作る材料となり、体に必要なものです。2〜3割が食事としてとり入れられ、7〜8割は体内で合成されますが、その合成量は体内でうまく調整されています。
食事として日本人が1日に摂るコレステロール量は約300〜400mgです。プロセスチーズ1個あたり(17g)は13mgで、鶏もも肉(89mg/100g)や鶏卵(210mg/個)に比べると、それほど多くありません。このようなことから健康な人であれば、チーズのコレステロール量を気にすることはないと言えます。
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