現代のインターネットによる情報社会では、好むと好まざるとにかかわらず、膨大な情報があふれています。性に関する情報もまたしかり。
異性に興味を覚え始める小学校高学年から高校生にとっては、以前と比べものにならないほど簡単に情報が入手できます。携帯サイトやインターネット、それ以外にもコミック誌での性描写は非常に過激になってきています。そういう社会情勢に対し、学校側、教育側は旧態然と「寝た子を起こすな」と言い続けてきましたが、ここ数年は正しい知識が必要と、講演依頼が徐々に増加してきました。
本来、性教育とは、「卵子とたった一つの精子が出会って受精したかけがえのない生命を大切にしよう」という生命教育から始めるべきものですが、講演で医師に与えられる時間はせいぜい1時間です。それゆえ、正しい避妊法や緊急避妊法、性感染症の危険とそれによる将来的な不安(子宮外妊娠や不妊症など)が主な内容となります。
もちろん、小学校高学年と中学生、高校生では話の内容に差はありますが、皆さんの中には「えっ、子どもにそこまで説明するの?」と、驚く方もいるでしょう。
中高生の妊娠が珍しくない昨今、興味本位の情報に振り回されるより、正しい知識を伝えることが最終的に本人の身体を守ることになります。あの時に知識があれば、今の状態を防げたかもしれないという思いをして欲しくないと、産婦人科医は切に願っているのです。

にしの・てるよ
昭和54年、兵庫医科大学卒。翌年より大阪回生病院、大阪大学医学部付属病院、大阪船員保険病院の勤務医を経て、平成4年から大手前病院産婦人科医長。平成17年に現クリニックを大阪市中央区に開院。