妊婦は新型インフルエンザのリスクが高いので優先的に予防接種を行うと聞いて「あれ?」と思った方も多いかと思います。妊娠中でも予防接種が可能な場合もあるのです。
一般に生ワクチン(風疹ワクチン、麻疹ワクチン、水痘ワクチンなど弱い生きた病原体を接種するもの)は胎児にウイルスが移行する危険があるため、原則的に妊婦には接種できません。接種前1カ月と接種後2カ月間は避妊が必要です。しかし実際に接種した場合でも新生児に異常が認められた報告はなく、接種した後に妊娠が判明しても心配しすぎることはないようです。
また、大流行など感染する危険が非常に高い場合は、妊婦に接種する場合もあります。こうした心配を避けるには、妊娠を計画する前に免疫の有無を確認して予防接種を受けておきたいですね。
不活化ワクチン(インフルエンザワクチン、三種混合ワクチンなど病原体を殺して免疫を作る成分のみを接種するもの)は胎児に影響を与えないので、妊婦への接種も可能です。
インフルエンザにかかると妊婦は重症しやすく、予防接種も毎年必要なので、妊娠中でも受けておいた方が良いでしょう。しかし、強い副反応が起きる場合など危険性が全くないわけではなく、ふだんより体調に注意して、異常を感じたらすぐ診察を受けてください。
授乳中の予防接種は生ワクチン、不活化ワクチン共に可能です。妊娠中の検査で風疹の免疫がなかった方は、産褥期に予防接種を受けておきましょう。

たかばたけ・けいこ
和歌山県立医科大卒。京都大学大学院医学研究科修了。医学博士。京大病院、財団法人田附興風会北野病院に勤務。2005年から大阪・大東市で「たかばたけウィメンズクリニック」開業。