性成熟期の終わりに達し月経が永久に停止することを閉経といい、一年間月経が来ないと閉経と考えます。閉経して女性ホルモン(エストロゲン)が低下するとどんな変化が起こるのでしょうか。
まず肥満です。女性は加齢により肥満者の割合が増加しますが、閉経後は内臓型肥満が増加します。これは皮下脂肪型肥満に比べ心血管疾患の原因になる危険な肥満です。
内臓脂肪は肝臓での悪玉コレステロールの代謝を低下させ、合成も増加させます。また中性脂肪も増加し、これらが動脈硬化や、糖尿病の原因となります。さらに肥満は腎臓に影響し、血液量を増加させたり血管を収縮させたりして、高血圧を起こします。こうしていわゆるメタボ状態になると、急激に心筋梗塞などの心血管疾患のリスクが増加します。
肥満は乳がん、子宮体がん、大腸がんなどのリスクも上昇させます。
また、エストロゲンが減少すると骨吸収が増加し、骨粗しょう症が生じ、寝たきりの原因の骨折をおこしやすくなります。さらに動脈硬化は脳にも起こり、エストロゲンの神経細胞に対する保護がなくなることも合わせて認知症を起こしやすくなります。
これらの兆候に早く気づき適切な治療をおこなえば、進行を防ぐことができます。また、ホルモン補充療法をおこなう場合もあります。
閉経は女性が必ず迎える体の変化です。起こりやすい病気を知って予防することで健やかな閉経期を過ごしましょう。

たかばたけ・けいこ
和歌山県立医科大卒。京都大学大学院医学研究科修了。医学博士。京大病院、財団法人田附興風会北野病院に勤務。2005年から大阪・大東市で「たかばたけウィメンズクリニック」開業。