妊娠中に風疹などの感染症になることは、母体と胎児に大きな影響を与えます。最近は、予防接種率が減少して時々流行が起こるのに、成人になるまで免疫がない人が増加しています。
風疹(三日ばしか)は、妊娠初期に感染すると、3分の1という高率で胎児に白内障、難聴、心疾患や精神発育遅延などの先天性風疹症候群を起こすとして知られています。
麻疹(はしか)は、妊娠中に罹患すると重症化しやすく、流早産率が上昇します。分娩直前に罹患すると、生後赤ちゃんが発症する可能性もあります。
水痘(みずぼうそう)も妊娠初期に罹患すると、約2%に先天性水痘症候群がおこり、分娩直前の罹患では生後に赤ちゃんの発症もあります。
風疹・麻疹・水痘の免疫がない場合は、妊娠前に予防接種を受けましょう。妊娠中は予防接種できないので、人ごみを避け、免疫のない家族は予防接種が必要です。
サイトメガロウィルス感染は、ほとんど症状がないのに5〜20%の新生児に症状が出ます。伝染性紅斑(りんご病)も、母体が感染すると10%程度に胎児水腫などが起こるといわれ、どちらも予防接種もないので、手洗いなど感染予防が重要です。
インフルエンザは何度もかかることがあり、妊娠中では重症化しやすいので、米国では妊娠中期以降は予防接種を勧めています。感染の機会が多く、アレルギーのない方は11月頃に予防接種を受けましょう。
どの疾患も妊娠前に免疫の有無を確認して予防し、妊娠中に罹患してから慌てないようにしましょうね。

たかばたけ・けいこ
和歌山県立医科大卒。京都大学大学院医学研究科修了。医学博士。京大病院、財団法人田附興風会北野病院に勤務。2005年から大阪・大東市で「たかばたけウィメンズクリニック」開業。